あなたの趣味は何ですか。
大切にしなければいけないことほど疎かにして必要ないモノほど大事にしてしまうものです
貧乏アマチュア写真撮りの私に一番いらないものがあるとするならば、おそらくそれは高価なカメラということになるとは思いますが、この度富士フイルムのデジタル中判ミラーレスカメラ『GFX50SⅡ』を購入しました。どうして私を購入したのかとベッドに横たわっている50SⅡさんから問いかけられそうですが「写真を撮る」という選択を考えると今買うべきではないのかと思ってこんなことになりました。そのような経緯含めてファーストインプレッションを書いていければと思います

– 01
中判という選択。
なぜ中判デジタルというものを選んだのかというと1つ目は中判フィルムを使っていく内にその解像感とトーンの良さを知ってしまったということ。Hasselbald 500c/mをとMamiya645superを使っていたのですが描写の浮き出てくる感じとか、それに伴う雰囲気だとかが段違いでこの写真の中に一つの世界が押し込められている感じをデジタルでも味わいたいと思ってしまいました
二つ目の理由は私の趣味が写真であるということです。いやカメラ買ってるんだしそりゃ趣味は写真だろってなるとは思うんですけど、胸を張ってこれが趣味だって言えるのが写真くらいしかなくて他は創作系じゃなくて消費系なんですよ。何か作品作りをするってなった時に最早アイデンティティともなりつつある写真という趣味に最高レベルに近い投資をしてもいいんじゃないかと思ったからこその選択でした。などと色々とカッコつけてはいますが端的に言うと私の中の本能がこれ欲しい!って言ったってことですはい。

– 02
焦点距離を捨てる。
GFXのGマウントは今では様々な焦点距離のレンズが出ていますがお金に不自由しない人じゃない限り、殆どの人はある程度の焦点距離を捨てる選択になると思います。今までNikonではZ24-200mmという神のような焦点距離のレンズがそこそこコンパクトなサイズであったので広角から望遠まで行けましたが、中判では常識的なサイズでそのような焦点距離のレンズを出すことができないので他のマウントのようにダイナミックな写真を作るのは現実的、金銭面的に難しくなるかと思います
この中判という世界で他のマウントを使ってきた感覚では苦労する部分があるので撮る写真によってはおススメできないかもというのが使ってみた感想です。35mm換算最長100mmぐらいまでの範囲で収めるのであれば変わらない感じで運用できると思います。お金はかかりますが

– 03
4:3という丁度良さ。
小さなセンサーサイズではお馴染みの4:3という写真の縦横比ですが、個人的に3:2より圧倒的に使いやすく好みでした。3:2は横だといいんですけど縦だと何だか横が狭く縦が長すぎるような気がしてダイナミックな写真にはいいのかもしれませんが私には苦手で縦で撮ることが少なくなっていました
GFXにしてからというもの縦でも収まりがいいので縦写真も増えて快適に写真が撮れるようになったのが良い変化になりました。横ばかりだと飽きるし縦も撮りたい…という悩みを解決するには比率を変えるのも良い選択かもしれません

– SPEC
スペックは以下の通り。上位版であるGFX100Sに比べれば所々見劣りはしますがまずまずの性能だとは思います。唯一これだけは駄目って言えるのが動画の性能。フルHD30fpsなので誰がどう見ても動画向きではないです。そういう方は100S買いましょう
| 画素数 | 5140万画素(有効画素) |
| 連写撮影 | 約3コマ/秒(メカニカルシャッター使用時) 約2.2コマ/秒(電子先幕シャッター使用時) |
| 液晶モニター | 3.2型チルト式液晶 236万ドット |
| ファインダー | 0.5型有機ELパネル(約369万ドット) 0.77 倍 |
| 動画 | フルHD(1920×1080) 29.97p |
| その他特記機能 | 手ブレ補正(5軸)/タッチパネル/14bit RAW |
| 撮影枚数 | 455枚 |
| サイズ | 150×104.2×87.2 mm |
| 重量 | 約900g(バッテリー、 SDメモリーカード含む) |
ここには載せていませんがGFX系はボディ側にシャッターがあるのでハッセルブラッドなどと違い、グローバルシャッター撮影でのオールドレンズ使用が可能です。そうしたレンズについてはまた別の記事で書こうと思います
– DESIGN
GFX100Sからの流用ボディ。そこまで多く語ることはないけれどこの価格帯の基準を持って思うことを書いていくことにしよう

01
正面
GFX100Sのボディをそのまま流用した可もなく不可もないデザイン。

02
デザイン的不満
そして本音を言うならば樹脂が安っぽく補助光が邪魔

03
背面
背面部分は富士フイルムの他のカメラとそう大差はない。十字キーがなく操作性が微妙なのとボディが多少大きいので私の手だと親指AFが少しやりにくいくらい

液晶
液晶は三方向チルトで動画勢に媚びない点は評価。上限フルHDなのにバリアングルとかだったらキレ散らかしていましたね。

横面
横にはGFX50SⅡと刻まれていますがあまり目立たないのでGFX100Sユーザーが気の毒だ


肩液晶って本当に必要ですか。
そして軍幹部ですが私がこの世で一番嫌いな肩液晶が搭載。
正直これのせいで操作性は眼に見えて落ちていますが流用デザインなので文句をつけても意味がない。でも肩液晶って使う人いるんですかね?
確かに星空撮影の時なんかはあるといいのかもしれないですけど別に画面でも普通に確認できるしダイアルを削除してまで搭載する価値を感じない。
むしろ電子部品となると故障のリスクも高まる。
それでも搭載されているということはどこに聞いたかもわからないプロの要望というやつに加えて物理ダイアルのコスト削減といったところか。
富士フイルムの品質低下が最近見られるようになっているのでここは注視したい。
– GF35-70mm F4.5-5.6 WR



GFX50Sii × GF35-70mm F4.5-5.6 WR
今回購入したのがキットレンズセットだったのでGF35-70mm付き。別に記事にしたいのであまり書くつもりはなかったのですがこのレンズが軽いのに写りが良く近寄れるとあって滅茶苦茶良い。
キットレンズなら実際5万円くらいになるというバーゲンプライスでこのレンズが付くのは信じられない。富士フイルム頑張ったなと
沈胴式のレンズなので一回にゅっと出してやる必要があります。でも他社のレンズにありがちなわざわざボタンを押して繰り出しといった仕様ではなく、ただ回してやるだけでいいので使い勝手が良いです。
合わせるとこんな感じ。1kgを超えるセットではあるもののバランスが良く、深いグリップもあるおかげかそんなに重さを感じないカメラに仕上がっています。でも多分GF80mmとかになったら印象も変わってくるのかな…?カメラを心配する前に筋肉つけた方が早そうです。
ふと立ち止まり、夜の海を見つめる。海の向こうには、きっと同じように誰かがこの波を眺めているのかもしれない。
– SETTING
詳しく話しておく点としては※1のコマンドダイアル設定と※2の露出補正ボタン設定には相関関係がありまして、[露出補正ボタン設定]を押下切り替え(S)にすることにより露出補正ボタンを押しながらリアコマンドダイヤルを回すという面倒くさい動作だった露出補正が、露出補正ボタンを押した後にただダイヤルを回すだけという簡単な設定にすることができます
個人的に露出補正は良く使うので弄りやすいリアダイアル側に露出補正を、GF35-70mmは絞りリングがないのでフロント側にF値設定を割り当てました。勿論使い頻度が逆なら設定を逆にしてもいいですしそこは使い方次第ということで
1
[RAW記録方式]をロスレス圧縮に
2
[AF+MF]をONに
3
[MFアシスト]の[フォーカスピーキング]をお好きな色(強)に
4
[シャッター方式]をM+Eに
5
[感度]を設定
(私は基準ISO100,上限ISO6400,低速シャッター1/30)に
6
[撮影画像表示]を0.5秒に、[自動電源OFF]を30秒に
7
[画面のカスタマイズ]でお好みの表示に
8
[ファンクション設定]で空きボタンにAF,ISO感度,測光を盛り込む
9
コマンドダイアル設定]でフロントダイアル1にF値、露出補正割り当てをリアダイアルに ※1
10
[[半押しAF]をオフに
11
[レンズなしレリーズ]をONに
12
露出補正ボタン設定]を押下切り替え(S)に ※2
– SAMPLES
今回はノスタルジックネガを置いておき、プロビアで撮影した写真で色々書いていこうと思います






















































01
描写力
隅まできっちり。
まず感じるのが隅までキッチリ写るということです。そんなのは当たり前かもしれませんがその当たり前がここまで写っていると感動するレベルになるんだなと感じました。黒は死なず、白は飛ばない。そこに写りが混ざると一個上のトーンへ昇華してくれるので人によってはいじらなくて良い写真がそのまま撮れるかもしれません
03
色味と光
雰囲気を呑み込む。
何よりも良いのが色味と光です。コッテリかと思いきや上品なトーンが合わさって魅力的な写真を量産できるので撮っていてこれほど楽しいカメラは初めてでした。個人的な意見ですが特に暖色系の色味が相性が良い風に思えます
05
何を撮るか
向いている被写体。
絶景系も間違いなく良いのですがGFXは何でもないような風景を撮るのに間違いなく向いています。解像感とトーンが合わさると何でもない風景が特別なものに映るのでHasselblad 500c/mを使っているときの撮り方と同じ印象を受けました。カーブミラーや標識を撮るのも楽しいです。これが単焦点であればもうこれ以上ない写真になるんでしょうね
02
中判ゆえに
キットレンズでも。
35-70mmというキットレンズでも単焦点のような解像度を見せつけてくれます。場合によってはF4でもボケすぎるのでシチュエーションによってはかなり絞らないといけない場面も多々あるかと思います
04
データの質
弄ってこその真価。
厳しい逆光下でも色味は死なず、果てしなく粘る。多分他のセンサーサイズなら殆ど潰れていたに違いないと言える条件においてこそセンサーサイズの大きさが発揮されます。写り/色味申し分なしで条件さえ噛み合えば中判を買った理由がわかるかもしれません。そして中判の凄さは白よりも黒に現れるかもしれません。潰れないので黒の深さがリッチだし色味も生きるのでダークトーンの写真が多い人ほど中判が必要かなと思います
06
扱い
GFXを理解する。
撮れるものは今までと変わるかもしれません。向くもの、向かないもの、自分が撮るもの。GFXは質、トーン共に最大限の効果を発揮してくれますが自分が何を撮りたいのかによって好みは大きく分かれるかもしれません
良いコト、悪いコト。
最後にですがGFX50SⅡの良いところ、悪いところについて書いていきます
静かな丘
・圧倒的描写力/トーン
・しっかりとした手振れ補正
・ノスタルジックネガの色味
・重さをあまり感じない
静かな丘
・十字ダイアルがない
・肩液晶がいらない
・軍幹部にISO、露出補正ダイアルがないので操作性が悪い
・樹脂が安っぽく高級感がない
・EVFに問題あり
・フルHD30fpsと動画には完全に不向き
・中判なのでファイルサイズがでかい
・安いけれどやっぱり50万は高い
GFX100Sのボディをそのまま引き継いでいるので改善は望めなかったのでしょうが早い話、操作性がそんなに良くないです。全ては軍幹部にあるサブモニターのせいなのですが大して使わないというか実質いらないのに肩液晶があるせいでISOや露出補正を別に操作しなければならず、本当に残念です。富士フイルムらしくない選択だと思います
今までX-T1,2を使っていた経緯もあり、樹脂部分がT系に比べると非常に安っぽくなっており所有欲はあまり満たされません。あとは補助光のせいでデザイン的に残念だったりと描写はいいのに今いち詰め切れない部分があります
十字ダイアルを無くしてデザイン的にすっきりさせたいのかわかりませんがその他のデザインがスッキリしていないので前面スッキリ操作部コッテリくらいにしてくれないと富士フイルムの良さが消えます。他から移行してくる人にはいいのでしょうが
あとEVFに関してですがLCDの色味と違い、青被りしているので青-5設定にすると実際と近くなります。それに加えてEVFが実際より暗く見える感じもするのでそれに合わせた写真撮影をおススメします


私の趣味は、写真。

最早デジタルも時代は中判が来ているのかもしれません。今までフルサイズでマウントを取ってきたやつらにマウント仕返し…はできませんが「写真を撮る」という一点においては間違いなくおススメできるカメラに仕上がっています
高くて買えないという人もいるかもしれませんが私も48回ローンを申し込んだ貧者です。月1万円を4年支払い得るものを考えれば自ずと答えは出てくるはずです。でもそれほどのことをしてでも写真なんかを撮る意味ってあるのかともお悩みでしょう
ぬぐい切れない様々な悩みはあれど、私は間違いなく「私の趣味は写真です」ということができます。あなたの趣味は何ですか? その答えを是非私にお聞かせください
